主催イベント
『日本画と中国趣味 特集展示/大正期の横山大観』
会期 / 4月5日(水) ~ 6月18日(日)
開館時間=9:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日=毎週月曜日
日本の文化は、中国文化の強い影響を受けながら進展してきました。江戸時代にはとくに、中国の思想や書籍・漢詩文、美術工芸などに対する関心が深まり、様々な分野に中国趣味が幅広く浸透します。絵画の分野でも、中国の歴史上の人物や故事成語、風景などが、画題として盛んにとりあげられるようになりました。続く明治時代を迎えると、急激な欧化の波が押し寄せ、それに対した日本画家たちは、伝統的絵画に西洋画の利点を導入するなど、新しい時代にふさわしい表現を模索します。それでも、その精神的支柱であった岡倉天心が、内面性や精神性に基づく東洋的浪漫主義を掲げたこともあり、中国文化の影が消散することはありませんでした。
今回のコレクション展は、近代に引き継がれた中国趣味を反映した作品に焦点をあてたものです。第一章「唐人物」では、中国の歴史に登場する人物を描いた作品を、第二章「中国故事」では、中国の古典等に取材した作品を、第三章「悠久の景」では、理想とした中国の景、あるいは実見した中国の景にもとづく作品を展観。各人の解釈による多彩な画面を通して、近代日本画に見る中国趣味の浸透度を探ります。
また、特集展示として「大正期の横山大観」を開催し、大正期における大観のバラエティーに富んだ作風をご紹介します。
写真左より、西郷孤月《赤壁賦》、横山大観《漁樵問答》、菱田春草《林和靖》
【関連事業】
〇 展示解説
日時=4月22日(土)、5月20日(土) 各日とも13:30~
場所=二階堂美術館展示室内 講師=当館学芸員
【主な出品作品】
菱田春草 《林和靖》 明治43年(1910)
下村観山 《石鞏和尚》 大正12年(1923)【新収蔵品】
上村松園 《唐美人図》 大正7年(1918)頃
横山大観 《漁樵問答》 明治43年(1910)
橋本関雪 《竹林七賢図屏風》 明治28年(1895)
小杉放菴 《馬師皇醫龍図》 大正6年(1917)
橋本雅邦 《春秋楼閣山水図》 明治30年(1897)頃
加山又造 《長城》 昭和62年(1987)
横山大観 《松嶋図》 大正5年(1916)
横山大観 《山路》 大正14年(1925)頃
横山大観 《時雨》 大正末~昭和初期頃【新収蔵品】