主催イベント Event

『竹内栖鳳と京都画壇の画家たち』

会期 / 2月10日(水) 4月11日(日)

終了

幕末の京都に生まれた竹内栖鳳(1864-1942)は、四条派の伝統を引き継ぐ幸野楳嶺の下で絵を学び、早くからその才能を開花させます。栖鳳は四条派に終始することなく、他の流派の研究にも積極的に取り組み、その成果を自己の画面に反映させました。さらに、明治33年(1900)のヨーロッパ遊学で西洋美術への理解を深めた後には、伝統的な写生派の画風に西洋画法を加味した写実表現を確立、新たな日本画の可能性を世に示し、近代の京都画壇を牽引する存在となりました。また、後進の指導にも力を注ぎ、栖鳳の画塾・竹杖会からは、上村松園、土田麦僊、橋本関雪などのすぐれた画家が数多く輩出されています。

本展では、こうした栖鳳の画業の一端を、外国の風景を水墨で描いた初出品の屏風《熱帯風光》(明治35年頃)をはじめとする約20点の作品で紹介します。あわせて、江戸時代から続く四条派の流れや栖鳳の門人たちなど、栖鳳を中心とした作家たちの作品を展示し、伝統を尊重しながらも進取の気性に富んだ近代京都画壇の様相を概観します。

<展示内容>
二階堂美術館所蔵の竹内栖鳳および京都画壇の作家作品 約50点

第1章:栖鳳の師系
第2章:栖鳳の画業
第3章:京都画壇(栖鳳以前)
第4章:京都画壇(栖鳳世代)
第5章:栖鳳の門人

【主な出品作品】
竹内栖鳳 《熱帯風光》  明治35年(1902)
竹内栖鳳 《雨中嵐峡》  大正6年(1917)
竹内栖鳳 《涼陰放牛》  昭和5年(1930)頃
幸野楳嶺 《桃花蘋魚図》 明治10年(1877)
岸竹堂  《乳虎図》   明治期
山元春挙 《渓山之雪図》 昭和初期頃
上村松園 《紅葉可里図》 明治40年代後半
土田麦僊 《鶯》     昭和7年(1932)